ザトウムシの生態

ザトウムシ

特徴

ザトウムシ目は、長い足を伸ばし、豆粒のような体を中空に支え、その体を揺らしながら歩く様子が非常に特徴的です 。多くは頭胴長が1~2cm程度でごく小型のものもあります。頭胸部と腹部は密着して、全体として楕円形にまとまります。外皮は比較的丈夫で、クモの腹部のように柔らかくありません。体色は地味なものが多いですが、金属光沢をもつものや、鮮やかな色彩のものもあり、背面などに棘を備えるものもあります。また雌雄で性的二型を示すものもあります。「座頭」ムシ、メクラグモなどと呼ばれますが、通常頭胸部の真中に左右1対の目があります。

ザトウムシ類は足の長さでほぼ3つの型に分けられます。足の短いものは、ダニザトウムシなど、ごく小型で、一見ダニのような姿です。中位の足の長さのものは、丸い体のクモのような感じの虫で、アカザトウムシやオオヒラタザトウムシなどがあります。足の長いものは、非常に細い脚で、長いものでは10cmを超えるものがあり、日本産のナミザトウムシでは、雄の第二脚が180mmに達する例があります。

ザトウムシ類は、クモ綱のなかでは例外的に雄がペニスを有し、真の交尾を行います。雌雄は向き合って、腹面を触れ合う形で交尾をします。

生態

多くのものが森林に住み、小型のものは土壌動物として生活します。足の長いものは、低木や草の上、岩陰などで生活します。乾燥地帯に生息するものもあり、日本では海岸の岩陰に住むものがあります。

雑食性で、通常昆虫などの節足動物やミミズなどの小動物を捕食しますが、死んだ虫やキノコなどを食べるものもあります。

天敵に対する防御として、同じクモ形類のクモやサソリのような強い毒性などは知られていません。防御行動としては臭腺から忌避物質を分泌したり、足を自切することがあります。刺激を受けると身体を大きく揺するように動いたり、オオヒラタザトウムシなど地面や岩の上にはいつくばって、つついても動かないようになるものも防御行動の一つと考えられますが、詳細は不明です。

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