ケジラミの生態

ケジラミ

生息地

世界各地

体長

1.5-2mm

特徴

全体に淡褐色で半透明。これはヒトジラミより一回り小さい。体型としては胸部で幅広く、また歩脚を左右に張り出しているので横幅が広くなっています。

頭部は小さくて先端は丸くなっており、成虫では触角は5節、その基部後方に1対の眼があります。胸部は前・中・後の3節が融合しており、中央部でもっとも幅広い。3対の歩脚のうち中・後脚が太く大きく発達します。3脚とも先端の附節の先端が尖って腹部側に大きく曲がり、鎌状になっています。特に中・後脚ではこれと向かい合う位置で脛節の基部に突起を生じ、この間に毛を挟み込むことで強力に把握することが出来るようになっています。腹部前方の第1節から第4節までは互いに癒合し、この部分は胸部とも癒合しています。後半部の5-8節では、縁から円錐形の突起が出て、その上に数本の毛があります。

卵長楕円形では陰毛に透明な膠状物質で貼り付けられますが、先端部に蓋があり、ここに気孔突起が10-16個あります。この部分はヒトジラミのそれより大きくて突出しています。

幼虫から成虫まで、全て陰部で生活します。中・後脚の爪で強固に陰毛を掴み、あまり移動せず、口器を皮膚に付けて吸血します。運動は緩慢で、移動はごくゆっくりと行われます。卵も陰毛の、特に付け根付近にくっつけて産卵されます。他者への感染は性行為の際に行われます。

感染部位については陰毛以外に臑毛、胸毛、眉毛、睫毛、時に頭髪から発見された例も知られています。なお、女性では頭髪などに発生することが比較的多いです。これについて、ケジラミが陰毛を住処とするのがアポクリン腺があるからとの説がありましたが、これを否定しますね。また、女性の髪に発生が見られるのが比較的最近に多いとのことから、性行為の方法が変化したためではないかとの観測があります。

成虫は体温付近では9-14時間の絶食に耐え、15℃では24-44時間ほど耐えられます。移動能力としては1日で最大10cmという記録があり、また絶食に関してもヒトジラミよりかなり弱く、人から離れるとより早く餓死します。

生態

卵の期間は約7日、1齢幼虫は5日、2齢が4日、3齢が5日、その後成虫になります。雌成虫は1日に数個を産卵し、生涯では40個ほどを産卵します。成虫の寿命は20日ほどで、世代期間はヒトジラミより短いです。

ケジラミによる被害

吸血されると強い痒みを生じます。特にあまり移動せずに同じ場所から繰り返し吸血するため、その痒みが強烈に感じられます。痒みのために掻いて傷を付け、そこから二次感染症を起こす例はありますが、病原体を運ぶ、いわゆるベクターとして働くことは知られていません。ただし、ケジラミを移されるような人は淋病など他の性感染症に感染することも多いとの声もあります。

医学的にはケジラミの寄生とそれによる症状を指してケジラミ症と呼び、性感染症の一つと認められます。ただしこれが性感染症であるとの認識は普及しておらず、その分野の教科書等でも取り上げられることは少ないです。これはその症例が主要な性感染症に比べて少なく、また、その予後が悪くないことが原因であろうとの声があります。

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