トノサマバッタの生態

トノサマバッタ

生息地

日本全土

体長

35-65mm

特徴

大型のバッタで、オスよりメスの方が大きいです。前翅には茶色と白色のまだら模様があり、後翅はクルマバッタやクルマバッタモドキなどとは違って模様がありません。個体によって色に差があり、緑色型と褐色型の2つのタイプがあります。

また、密度が高い環境で育ったものを群生相(集団相)と呼び、逆に密度が低い環境で育ったものを孤独相(単独相)と呼びます。この2つのタイプにも能力や身体に差異が生じます。

生態

平地〜低山地の日当たりのよいイネ科植物の多い草原に生息します。草があまり密集せずまばらであるか、丈がそれほど高くない所にいることが多いです。

日本の場合「草原」と呼べる地帯は激減を続けており、実質的に平地の広大な草原は河川敷くらいしかないため、トノサマバッタの生息地も河川敷である場合が多いです。

食物はイネ科の草本の葉でありますが、昆虫の死骸などもしばしば食べ、脱皮中で動けない同種個体を襲って食べてしまう共食いも少なくありません。

トノサマバッタは年に2回発生します。オスは後脚と翅を擦り合わせて発音しますが、メスへの求愛にも用います。メスは腹部を下方に折り曲げて土中に挿し込み、多数の卵が含まれたスポンジ状の卵塊を産み付けます。一化目のメスが夏の始めに産む卵は1ヵ月程度で孵化しますが、二化目が秋に産む卵は越冬して翌年春になってから孵化します。

単子葉植物であれば非常に多くの種類を食草にできます。多摩動物公園では草食動物用に大量にストックされているトウモロコシの葉及び近縁な牧草ソルガムを与えています。それらの若い葉は食べようとせず、トノサマバッタにとっての何らかの忌避物質が含まれているとみられます。

警戒心がやや強く、成虫は外敵や人が近付くと、地面を跳ねて飛んだ後に、長めの翅を拡げて、長い距離では十数メートル程も飛翔して再び草の中に溶け込んで身を守るように逃げます。強い筋力による翅の力による飛翔力は強く、一度飛び立たれると、ジグザグに飛翔して狙いを付けられないようにするので、近づくのも捕まえるのも難しいです。メスより体が小さくて軽いオスの方がその飛翔能力が高いです。

天敵はスズメバチやカマキリなどの大型の肉食性昆虫と、クモやムカデなどの肉食性節足動物、ヒキガエルやトノサマガエルなどの両生類、ヘビやトカゲなどの爬虫類、モズやチョウゲンボウなどの鳥類、キツネやタヌキなどの哺乳類です。

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