クワガタムシの生態・飼育の方法

クワガタムシ

特徴

頭部・胸部・腹部に分けられるのが、背面から見た場合、しばしば前胸背板が胸部に、後翅の部分が腹部に該当すると誤解されますが、前胸とは胸部の一部分であり、中胸・後胸・腹部が翅の下にあることは腹面から見ればわかります。

大顎は、クワガタムシの最大の特徴でもあります。これはもともと採食器官としてほぼすべての昆虫にあるものが闘争用に発達したものです。餌場やメスの取り合いにおいて使用されると考えられています。飼育下においては、闘争心の高い種などでは、目の前の動く物体を全て攻撃対象とみなしてしまうことがよくあり、大顎の間で木片を動かしてやれば挟むし、メスさえも死に追いやることが稀ではありません。

クワガタムシは通常雌よりも雄が大きいです。雄では発達した大顎を持つ種類が多く、大顎の形状も分類上の重要なポイントとなっています。比して、雌ではほとんどの種が黒っぽく同じような外観をしています。背中に模様のある派手な種ではメスにもまったく同じ模様とは限らないものの持つものもあり、識別が多少簡単にはなりますが、それ以外の大勢では頭楯の形状や前翅の点刻の深さなどで判断し、オスに比べてとても難しいことは言うまでもありません。

翅は、他の甲虫類同様、前翅は硬化し柔らかい部分を守る働きもしています。鞘のように後胸・腹部や後翅を覆っているため、上翅(じょうし)或いは鞘翅(しょうし)ともいいます。飛行時には前翅を開き、後翅に血液を通し広げて飛びますが、大型種の場合飛ぶのは至極不器用で、また柔らかい部分が剥き出しになるため鳥に狙われやすいです。あまり飛ばない種も多く、小規模な島嶼に住む種やマルガタクワガタ属の中には後翅が退化したり飛翔能力を失ったりした種もいます。

飼育方法

クワガタ飼育で必要な道具は以下の5つです。

飼育ケース

クワガタの大きさに合わせて選びます。オス同士はエサの取り合いや争いが起こるため、必ず別のケースで飼育してください。1,000~1,500円程度で購入可能です。

飼育用のマット(土)

専用マットがなければ園芸用の土でもかまいませんが、農薬が含まれているものは健康を害する可能性があるので避けた方が無難です。ケースに深さ5cmほど敷き、軽く湿らせた状態で使います。湿り具合の目安はマットを手の平で軽く握ったときにマットが崩れない程度です。300~800円程度で購入可能です。

食べかすや糞でシートが黒っぽく変色し、においが気になってきたら交換してください。およそ4ヶ月が目安です。

餌(昆虫ゼリーなど)

基本的に昆虫ゼリーのみを与えていて問題ありません。およそ50個あたり400円程度で購入が可能です。ゼリー以外にもりんごやバナナなどの果物を好みますが、傷みやすいので与える場合は食べ残しを早めに片付けるようにします。衛生面を考えると昆虫ゼリーだけにした方が無難です。きゅうりやスイカは水分が多すぎて下痢の原因になるので与えないであげてください。

転倒防止の枯れ葉や樹皮、のぼり木など

クワガタはケージの中でひっくり返って起き上がれずにいると、そのまま弱って死んでしまうことがあります。転倒したときに起き上がれるよう、足場を入れておく必要があります。のぼり木を置く場合、朽木はカビが生えて見栄えが悪くなるので避けてください。少し湿らせてから使います。全部合わせて1,000円程度で購入可能ですよ。

霧吹き

マットや止まり木が乾いてきたら軽く吹きかけます。特に形状などの指定は無いため、100円程度で購入可能です。

飼育環境

クワガタムシは夏の虫というイメージで、寒いといけないと思っている人がよくいます。飼育はじめの方とか、興味はないけど子供のために買ってきた人などは、わざわざ家の中で一番暖かい部屋に置いていたりします。中には直射日光に当てて日光浴をさせている人も本当にいました。クワガタムシは寒くても死にませんが暑いと死んでしまいます。だいたい25℃位がいいようです。なるべく30℃以下で飼育しましょう。

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